地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、登米の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

登米の地域情報サイト「まいぷれ」

あなたと医療を語る場所「オープンメディカルコミュニティ」

「オープンメディカルコミュニティ」 第三回

「オープンメディカルコミュニティ」 第三回

[仙北郷土タイムス,2018年8月掲載分]

宮城に来て五年が過ぎ、現在、登米、大崎、涌谷、遠田郡の宮城県県北で在宅診療をやっている医師の田上です。

 

在宅診療をやりながらcoFFee doctorsというカフェやWebメディアもやっていると、毎日色んな人から色んな質問が来る。

 

そんな質問や医療についての疑問をこちらで書いていきたいと思う。

 

病は気から

 

最近よく気になる言葉が”病は気から”。

 

「そんなに落ち込んでいたら病気になるぞ」、こんな感じの使われ方よくあると思うけど実は最近皆んなが病気と感じるものの多くは、この”気=気持ち、気分、ストレス”に関係しているんじゃないかと思う。

 

この”病は気から”調べてみると紀元前二〇〇年以上も前の中国の言葉だと、すごい。

 

そして、”病は気から”の仕組みをマウス実験で解明したなんてニュースが昨年あったのも記憶に新しいが、特に医療だけでなく 様々な業界が、気持ち(心)と症状(体)の関係に注目している。

 

病気や症状でいうとわかりやすいのは認知症。

やはりストレスがかかって気持ちが落ち着かないと症状は悪化する。

 

普通の人でも慢性的な痛みや痒みの症状の中にも、何かに集中していると症状を忘れていたなんてこともあると思う。

 

 

医学的には認知行動療法

 

実はそんな ”病は気から”に対して医学的には昔から専門の治療があり、その一つが認知行動療法である。

 

精神科や心療内科の先生が得意とする治療であるが、 あまり一般に知られていない。

 

一つ紹介すると眠れない病=不眠症に対して最近は認知行動療法が進められ、薬に頼らないでも治ることが認められてきた。

 

こんな話聞くと、よく誤解があるのは薬に頼りたくないから症状や病気を我慢するという人がいるが、これと認知行動療法は全く違う。

 

 

認知行動療法とは自分の症状や状態を正しく認知して普段の行動を変えましょうという治療になる。

 

例えば日中の仕事や対人関係のことが気になって寝ることができない、朝にすっきりしないなんてことがあるかと思う。

 

そんな人は寝ることができないことがプレッシャーになって早い時間に布団に入ったり、途中で起きても頑張って寝たいと思い必死に床の中にいて一時間くらい悶々としていることがあるんじゃないだろうか。

 

そんな時に、実は昔寝ることが出来ていた時はもっと遅い時間に寝ていたとか、途中で起きた時に勝手に寝ることができないと条件付けを行っていて、そこを専門家がカウンセリングして、寝る時間をもう少し遅くしてみましょう、途中で起きたら一度ホットミルク飲んでみましょうと行動を提案することで変わる。

 

最初は朝のスッキリ感が改善していることに気づく程度で、カウンセリングを繰り返すことで、その後気づいたら普通に眠ることができていることがある。

 

 

生きること全てが”気”から

 

他の業界でも、近年はヨガにハマる女性が増えている。

 

これは治療ではないが、単純なダイエットだけでもなく気持ちを落ち着ける効果もある。

 

さらに、このヨガも昔からの仏教思想や禅の修行などのマインドフルネスに共通する点があり、このように異なる理論的背景と方法論をもつ技法が、それぞれ一つの技法として一定の体系を維持していることが感慨深い。

 

それぞれの立場の違いを超えて共有される基本原則、それがどのようなものであろうかと考えさせられる。

 

実は、そう考えると病だけでなく生きること全てが”気”からなのかもしれない。

医療法人社団やまと

やまと在宅診療所登米

院長 田上佑輔

このエッセイは、宮城県登米市の月刊新聞「仙北郷土タイムス」掲載コンテンツを再掲したものです。

この記事に関するキーワード