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あなたと医療を語る場所「オープンメディカルコミュニティ」

「オープンメディカルコミュニティ」 第二回

「オープンメディカルコミュニティ」 第二回

[仙北郷土タイムス,2018年7月掲載分]

宮城に来て五年が過ぎ、現在登米、大崎、涌谷、遠田郡の宮城県県北で在宅診療をやっている医師の田上です。

 

在宅診療をやりながらcoFFee doctorsというカフェやWebメディアもやっていると、毎日色んな人から色んな質問が来る。

 

そんな質問や医療についての疑問をこちらで書いていきたいと思う。

 

医療相談は難しい

 

つい先日も知り合いの人から、「父が胃癌になったので、いい病院を紹介してほしい」と電話がかかって来た。

 

彼は知人の知人で以前にも別の件で相談された経緯がある程度の仲、久しぶりの電話で驚いたのと電話がまた医療相談で驚いた。

 

実は人それぞれであるかと思うが、医者にとって、この手の相談は多く返答に困ることもある。

 

 

よく受ける医療相談のケース

 

十年くらい前には、僕もホームページを自分で作って医療相談をウェブで受け付けていた。

 

自分が医者の知り合いが多いから少しでも困っている人のためになれば思ってやり始め、メールも合わせると月五件程度対応していた。

 

中にはネットで相談してきた三十代の癌患者に最後まで付き添ったこともある。

 

登米に来てからも、カフェで毎週医療相談を受けて来た。

 

最近はランチのお客が多いので相談で来る人はいなくなったが、そういう意味では医療相談歴は十年以上で今まで、癌のことから、難病、美容、認知症、精神疾患、小児など多岐に渡って対応して来た。

 

 

振り返っても一番困るのは、いい医者・病院を紹介してくれと言われることだ。

 

 

外人の友人から英語できちんと説明してくれる医者を紹介してくれと言われる程度であれば紹介しやすいが、その人にとって本当にいい医者、病院というのは難しい。

 

医療は取り返しがつかないケースも多く、美味しいお店を教えてくれと、いうのとは訳が違う。

 

そして医者との相性や信頼関係を築けるかが重要かつ一度紹介すると変更しにくいので(担当医を変更してもいいのだが)、お見合い相手の紹介とも全く違う感覚である。

 

 

医療相談の難しさを感じた瞬間

 

今回の相談もそうであった、胃癌が見つかった。

癌としては話を聞く限り手術は可能で、今の日本の医療レベルで一般的な病院であればガイドラインもあり治療の選択肢、内容、成績についても変わらないことは明らかであった。

 

そうすると、後は自宅からの距離だけであり、そのように説明して手術可能な近くの病院に紹介状を持っていくように説明するが納得してくれない。

 

 

どこか決めて欲しいのだ。

自分が主治医であれば最善の医療を考えることは可能であるが、ただ医療相談は診療やセカンドオピニオンとも違い限界があると葛藤がありながら、なんとなく納得してくれる近くの病院にいくことで話が着地した。

 

今考えると元々、彼らの中で病院が決まっていたのかもしれない。

 

 

その後、無事手術が終わり「紹介してくれた病院で本当に良かった」と連絡をくれた。

 

僕が病院を指定した訳ではないが相談を受けて結果の報告が来るまで、ずっと気にはなっていたので連絡は有り難かった。

 

何より手術が無事終わって良かったと安心した。

 

 

医療は考える以上に難しい、一つ一つの仕事が人生に関わる。



医療法人社団やまと

やまと在宅診療所登米

院長 田上佑輔

このエッセイは、宮城県登米市の月刊新聞「仙北郷土タイムス」掲載コンテンツを再掲したものです。

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